CAREER

GLOBAL REPORT

海外駐在員としてグローバル事業の拡大に奔走する社員。
世界の知見とネットワークを持ち帰るべくトレーニーに励む社員。
それぞれが異国の地で見えてきたもの、つかみ取ったものをレポートしてもらいました。

#02

2016年入社 
政治学専攻松本 理沙

松本 理沙

2019年7月、ニューヨークにある現地法人UD USA Inc.へ赴任。11月から現地デベロッパーのColumbia Property Trustへトレーニーとして出向。

自ら希望して、ニューヨークの事業パートナーへ出向。たくさんの経験と知見、そして人とのつながりを持ち帰りたい。

海外赴任の背景

2018年6月にグローバル事業部(当時)へ配属となり、約一年間東京本社から米国事業を推進してきました。しかし、現地との時差があるため電話やテレビ会議もままならず、コミュニケーションの大半はメール。時折現地へ出張はするものの、短期間でできることが限られており、歯がゆい思いをすることがしばしばでした。不動産事業を進めるには何といっても現地現物が重要です。現場でしか得られないものもたくさんあります。配属当初から希望していた米国への赴任が決まった時は、飛び上がるほど嬉しかったです。
海外での一人暮らしは初めてで、英語力に自信があるわけでもない。日本人が一人もいない環境で働くことに不安がなかったと言えば嘘になりますが、それ以上に期待感、ワクワク感が大きかった。しっかりと成果を残し、たくさんのことを学んで来ようと日本を出発しました。

赴任先にて

赴任して最初の4か月間はニューヨークにある当社現地法人で勤務し、新規開発案件の取得などにあたりました。その後、米国における不動産ノウハウの吸収と人的ネットワークの構築を目的に、地元のデベロッパー「Columbia Property Trust(Columbia社)」へトレーニーとして出向しました。
NTT都市開発が初めて米国に進出したのが2013年。Columbia社の投資チーム(※旧Normandy Real Estate Partners)はその当時からの事業パートナーで、これまで6つの物件を共同開発するなど、強い信頼関係が築かれています。
私はそこで物件の新規取得とアセットマネジメントを担当。大規模開発案件の推進から日頃の物件運用まで、多岐にわたるフェーズに携わっています。着任から1年が過ぎて、主体となってできることが少しずつ増えてきました。物件に常駐してテナント対応に当たるプロパティーマネージャーや工事を取り仕切る現場監督など、さまざまなプロフェッショナルの協力を得ながら、社内や事業パートナーとプロジェクトの運営方針を決め、事業を推進しています。これまでのキャリアでは到底カバーできなかった事業分析手法や視点も獲得できたと感じています。

※2020年にColumbia社が買収

赴任先にて
得られたもの

Columbia社に着任して半年が過ぎたころ、それまで補佐として担当していた物件の運営方針策定を初めてメインで任されました。数十億円の補修工事でしたが、押し寄せるコロナ禍で、テナントの倒産や賃料減額要求への対応、崩壊したマーケットの調査、保有継続か売却か等々、様々な課題の検討も同時に行う必要がありました。経験も知識も追いつかない中、社内外のプロフェッショナルたちに協力を仰ぎながら懸命に計画を策定していきました。
日本とはビジネススタイルが違うため最初は戸惑うことばかりでしたが、結局は人対人。国や文化は違っても、つねに感謝の気持ちを忘れない、約束を必ず守るといったコミュニケーションの基本は同じだということを実感しています。また語学力以上に、自分の言葉で想いを伝えること、表現することが大切だということも学びました。国や文化を超えて人として通じ合うことがグローバルビジネスの醍醐味なのだと、今強く思います。

得られたもの
赴任先から見える日本、NTTやNTT都市開発

ニューヨークでも日本製の車や電化製品を至るところで目にします。洗練されたものづくりや几帳面でやさしい国民性が高く評価されているのだと感じます。特にコロナ禍の現在、日本の清潔さ・衛生面が話題になっていて、例えば日本のビルのエントランスでは自動ドアが当たり前ですが、米国では手押し式が一般的。日本に倣って非接触型の自動ドアに変えようという動きが広がり、ここColumbia社でも取り組みが始まっています。
米国でNTTの名前はあまり知られていないようですが、その中でNTT都市開発はすでに13の案件を推進してきました。街を大切に想い、誠実に事業を行う私たちの姿勢に好感を持ち、共に歩んでくれる事業パートナーもどんどん増えています。「誠実に、革新的に」街づくりに取り組んできた先輩たちの想いを、大切に受け継いでいかねばならないと強く感じる毎日です。

赴任先から見える日本、NTTやNTT都市開発

コロナによって、人々は「選択」して生活するようになりました。ネットワークさえあれば、住むのも働くのも遊ぶのも、好きな場所を選ぶことができます。だからこそデベロッパーは街の課題を解決し、人々が選びたくなるような街へと魅力付けしていく必要があります。ニューヨークは高層ビルの先進的なイメージが先行していますが、世代を超えて受け継がれてきた建物も数多く、様々な発見がある刺激的な街です。
ここでさらに多くの経験を積み、知見やネットワークを日本に持ち帰って、新しい街づくりに挑戦していきたいと思います。

(取材当時)

#02

2008年入社 
建築専攻永田 晃一

永田 晃一

2015年10月からオーストラリアのメルボルンにある現地法人UD Australia Pty Limitedに駐在し、現地での分譲住宅開発事業を推進。

現地事務所と事業、2つの立ち上げで入った異国の地。3年におよぶ経験や失敗も、確かな自信へと変わってきている。

海外赴任の背景

2011年から所属していた住宅事業部(当時)の海外事業として、オーストラリア・メルボルンでの住宅地開発プロジェクトが始まり、私がその担当になりました。約40ヘクタールの土地に約350世帯の為の住宅地を開発し分譲するというもので、欧米でのビル事業が中心だった当社としては初の試み。アジアでの高級マンション建設が主流である日本のデベロッパー業界においても、未開拓の事業領域でした。
当初は出張ベースでの事業推進で、現地から外様扱いされるうえにお客様の顔が見えづらいことで歯痒い思いをしていましたが、1,000世帯を超える第2号住宅地開発案件の参画決定にともない現地事務所を立ち上げることとなり、2015年10月に上司と2人勇んで着任しました。
現地事務所もプロジェクトも一からの立ち上げということで、思い返すと色々なアイデアを巡らせながら赴任準備を進めていました。責任の重さや新しい環境での仕事・生活に対する不安もありましたが、大きな会社に所属しながらベンチャー事業を行っているような感覚で、苦労も含め、得難い経験を楽しもうという気持ちが勝っていました。

赴任先にて

赴任先であるメルボルンは、2017年まで「世界一住みやすい都市」に7年連続で選ばれるなど、自然が多く豊かに計画された都市であるうえに、食・スポーツ・芸術等の文化の発展も著しく、とても暮らしやすいところです。「ラッキーカントリー」といわれるように鉄鉱石等の豊かな資源を有し、近年は移民の受け入れを原動力とした人口増加によって、107四半期連続(26年9カ月)の経済成長という世界最長記録を更新中であり、衰える兆しは一向にありません。
赴任して3年が経過しますが、現地での事業運営基盤も確立し、赴任当時から関わっていた2つの事業は強い景気に後押しされ、想定を上回る事業性で推進できています。販売事務所で接客をするスタッフや工事現場で指揮を執る現場所長らの声を手掛かりに、社内やローカルの事業パートナーとプロジェクト運営の方針を決めていくという、日本では当たり前かもしれないことを異文化の中でも主体的に行えるようになったのが、何よりの原動力だと思います。

赴任先にて
得られたもの

第2号案件Annadaleの開発地内に、1ヘクタールを上回る規模の公園を整備しました。完成後のイベントには200人を上回る住民が集まり、園内を子供達が走り回るなど思い思いに過ごしてまた開発地内の家々に帰っていく姿を見たとき、彼らの生活そのもののプロデュースに携われた事を実感して大きな達成感に包まれました。
人数の少ない現地法人なので、不動産事業に関してはもちろんのこと、税務・会計まで含めた会社の運営や、新たな取引先との関係構築まで幅広くこなす必要があり、様々な経験や勉強ができています。日本人もローカルも含めて多くの人脈ができました。世界有数の移民国家で生活し働き方やライフスタイルの異なる人々と触れ合えた経験も貴重な財産です。
ビジネスにおいては、言葉や文化の違いによって衝突が起きても、デベロッパーとしての事業感覚や大切にする価値観のようなものさえ共通していれば通じ合うことができます。不動産開発そのものへの愛着と熱意を伝えること、「嘘をつかない」「感謝の意を示す」「義理を果たす」等々、日本でも当たり前のコミュニケーションを貫きながら、最後は人と人の信頼関係でビジネスが生まれ成功することを日々実感しています。

得られたもの
赴任先から見える日本、NTTやNTT都市開発

街を走る車の多くが日本製であることからも、日本の洗練されたものづくりや文化、誠実な国民性はこちらでも高く評価されています。日本への旅行客も近年著しく増加しているようです。しかし残念ながら、NTTというブランドは日本と比較すると広く知られていません。それでも世界中から不動産事業への投資マネーが集まる豪州においても、当社のように強い財務基盤を有し、投資ではなく開発を通じた付加価値創出を行えるデベロッパーは決して多くありません。事業を一緒に行いたいと言ってもらえることも珍しくなく、たくさんのビジネスチャンスがあると感じています。

赴任先から見える日本、NTTやNTT都市開発

自分のキャリアの中で、海外事業に従事した期間が最も長くなりました。そのなかでは、一言で分譲事業というような枠組を超えて、地域コミュニティの創出そのものに貢献するとても貴重な経験が出来ていると感じています。また、赴任先から日本を見ると、東京オリンピックも契機となり、外国人や外国企業からの注目も高まっていることも、私自身はとても期待しています。益々ボーダーレス化が進む中で、豪州で培った経験・知見・人脈を生かしながら、インバウンド・アウトバウンドを問わず、グローバル企業であるNTTグループらしくより価値の高い不動産開発や街づくりに携わっていきたいと考えています。

(取材当時)

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