PERSON

街を歩き、歴史と文化と香りを感じる 長く愛される商業施設をつくるために

街を歩き、歴史と文化と香りを感じる 長く愛される商業施設をつくるために

2020年入社 経営学部
中国支店 広島プロジェクト推進室 開発担当兼務

秦 涼輔

あくまでも利用者の視点で

高校生だった頃、自宅近くで大規模な商業開発が行われ、街がすっかり新しくなりました。居心地のいい場所がたくさんあって、私自身がそこで過ごすことも増え、日常は大きく変わりました。街づくりにはこれほどの力があると知ったことが、デベロッパーに興味を持ったきっかけです。中でも商業事業に強い関心がありました。飲食やアパレル、趣味――自分のライフスタイルに直結する世界であり、自分の思いや個性が活かせる仕事だと思ったからです。

あくまでも利用者の視点で

NTT都市開発への入社後は希望通りの商業事業本部に配属となり、シェアスペース事業「LIFORK」の運営管理を担当、特にLIFORK大手町をメインに担当しました。NTT都市開発の中でも最もお客様に近いところで活動する部署の一つです。
お客様からはさまざまなご要望をいただきますが、中には「利用ルール」を超えたものもあります。例えば、あるお客様からラウンジを使って動画撮影をしたいという依頼がありました。撮影自体はもちろん可能なのですが、照明に使う電力の消費量はどうか、機材の置き場所として共用スペースの一部を使うことは可能か、といった検討が必要になりました。厳密に言えばビルの警備などとの関係で難しい条件もあります。「ダメです」とお断りするだけなら簡単ですが、それではお客様のご要望を叶えることができません。迷っていた自分に、上司が「君がお客様だったらどう考える?」と声を掛けてくれました。改めて相手の視点に立ってビルの警備や設備の責任者と交渉し、なんとかルールの範囲で利用者の要望を叶えることができました。できない理由を探すのではなく、実現できる方法を見つけるのが仕事だということに気付かされた出来事でした。

「NTT都市開発らしさ」をつくりあげていく

「NTT都市開発らしさ」をつくりあげていく

入社3年目に中国支店に異動、現在は広島プロジェクト推進室で「旧広島市民球場跡地プロジェクト」と、「広島市中央公園広場エリア開発プロジェクト」を担当しています。これらは商業施設の開発に加え、前者ではイベント広場やスケートボードパークを、後者では新設される街中のサッカースタジアムに隣接して広大な芝生広場を整備するユニークなプロジェクトです。私の担当業務はテナントリーシングが中心で、現在は、これからテナントリーシングに入る広島市中央公園広場エリア開発プロジェクトについて、パンフレットの作成やマーケット調査、テナント候補リストの作成、テナントリーシングの視点からの設計チームへのフィードバックといった業務を進めています。入居テナントは施設の性格を左右する大きなポイントであるため責任重大ですが、やり甲斐のある仕事です。

デベロッパーの仕事は、プライベートを含め自分自身が感じたこと、経験してきたこと、見てきたことが仕事に直結します。一般の市民が利用者となる商業施設では特にそうです。私は自分で街を歩き、観察することを心掛けてきました。広島に着任したときも、計画地周辺や近郊の商業施設を電車やバスなどを使わずに歩いて見てまわりました。歩いていると観光地やランドマークとなっている建物だけでなく、民家、道路、個人商店、地域の人々などさまざまなものが目に入ります。「ここにおいしそうなご飯屋さんがある」とか「家族連れが多い」などさまざまなことに気づきます。歩きながらその街の様子や文化や歴史を知り、香りを感じること、それが一時の話題性ではなく、20年、30年と愛される街をつくることにつながります。利用者の視点を決して忘れることなくこれからもさまざまな趣味を持ち、あらゆる場所に行き、たくさんの人と会うこと、その中で自分自身を磨いていくことが商業施設開発に携わる私の力になると思っています。

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