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固有の歴史と物語を持つ街に何がふさわしいのか「かっこよさ」の前に知るべきことがある

固有の歴史と物語を持つ街に何がふさわしいのか「かっこよさ」の前に知るべきことがある

2010年入社 工学研究科 建設工学専攻
住宅事業本部 事業推進部 開発担当

佐々木 麻梨子

この街にふさわしいものは何か

建築を学んだ私は設計の仕事をしたいと思って、建築設計事務所やゼネコンへの就職を考えていました。しかし、就職活動を進める中でデベロッパーという存在を知ったことが転機になりました。もともと“どんな人のために、何をつくるのか”が重要だと感じていた私にとって、企画に密接に関係した設計ができるということは、自分の理想に一番近いと感じたのです。
入社後の配属は、商業事業推進部 開発企画担当(当時)で、商業施設を一からつくり上げていく仕事でした。街を丁寧に歩き、市場調査を進めながら、どういう施設がその地域、その街に最もふさわしいのか、どんなテナントさんに入ってもらえばいいのか、それを自分の頭で考え、企画し、まとめ上げていく作業は、新鮮でわくわくするものでした。

この街にふさわしいものは何か

学生時代はいかにかっこいいデザインの建物をつくるかということが先行していたように思います。しかし、一つの建物をつくるにあたってはさまざまな条件が存在します。土地柄があり、その建物が担ってきた歴史があり、営業する店舗があり、近隣の方々との関係も形づくられています。その一つひとつを紐とき、調整しながら、新たな形で受け継いでいく。華やかな竣工の場面には見えてこないけれど、歴史が刻印されたその場所に建物をつくるということは、これらの条件を一つひとつクリアしていくことが不可欠なのだと改めて知りました。本当に奥が深い。しかし、その仕事に自分が携われるのは、やりがいのあることだと感じました。

子育ての経験も活かして

子育ての経験も活かして

商業事業推進部の開発企画担当時代に結婚、出産を経験し、同じ部署に復職。その後、2つ目の部署となる住宅事業本部の分譲事業部に異動しました。建築企画担当(当時)として分譲マンションの設計と施工現場での品質や工程、コストの管理を行うことが私の仕事です。
設計では、当社の仕様を満たしながら、それぞれの立地や想定するお客さまの生活スタイルを取り込んで構想を練ります。分譲住宅は、私たちが所有する建物ではありません。お客さまの資産となり、ご家族が永く住まわれるものですから、使い勝手やメンテナンス性などには通常の建物以上の細やかな配慮が求められます。様々な観点から今の図面が最善なのかどうか、丹念にチェックを重ね完成させていきます。使い勝手が良く安全で暮らしやすいものになるよう設計することを心がけ、自身の子育て経験も活かしています。

また施工段階では、工程管理や品質管理はもちろん、企画時の設計意図や仕様がきちんと反映されているかをチェックしながら、現場で調整が必要となる場合には施工者や監理者と協議を重ねます。建築を学んできたものの、最初は図面が読み取れず、建築用語も理解できずに苦労しました。しかし、設計者、監理者、施工者の方々とパートナーとして物件に向き合い、一つのマンションをつくりあげていくのは、確かな手応えがあり、やりがいのある仕事だと感じています。
私たちデベロッパーだけでは、建物を設計することも施工することもできません。そんなできないことをやっていただくとき、相手にどう伝えれば同じ気持ちになっていただけ、それならもっと良い考えがあると提案していただけるような関係をつくりあげることができるかが、この仕事の重要な要素であり、また醍醐味だと感じています。
私はこれまで、企画系と建築系の両方の業務を経験してきました。今後はこれまでの経験を活かし、改めて開発全体の企画や事業収支、建築計画などプロジェクト全体をマネジメントする業務に携わりたいと思っています。

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