
2021年 社会工学専攻
開発本部 商業開発部
清田 彩夏

高校生の頃、家族旅行でスイスを訪ねたことがあります。初めて足を踏み入れたヨーロッパでした。日本とは全く違う街並の美しさに感動して、それが私の歩みを決定づけました。まだ文系とも理系とも決めていなかったのですが、都市計画や街づくりが学べる大学へ進もうと心を決めました。社会人になるときも迷わずデベロッパーをめざし、中でも地域に寄り添った当社の開発姿勢には惹かれるものがありました。デベロッパーというと特定の地域や街に強みを持った企業が多く存在します。しかし当社は、特に地域を限定するようなことはなく、全国各地でそれぞれの都市や地域の持つ特徴を最大限に活かした開発を進めていました。デベロッパーがつくりたいものではなく、そこに暮らす人にとっての好きな街、好きな空間をつくる仕事がしたいと思って入社しました。


配属は商業事業本部の商業・ホテル開発部(当時)です。最初はすでに稼働している建物で、管理運用の仕事をしながらデベロッパーの基礎を身に付けられたらと思っていましたが、私は何もわからないまま開発の最前線に加わることになりました。京都の元新道小学校跡地活用計画や原宿クエスト建替え計画などにおけるプロジェクトマネジメントチームのアシスタントとして、さらに竣工したビルのAM業務※などが私の任務になりました。もちろんわからないことばかりです。しかし、臆せずにやってみることから始めようと心を決めました。わからないなりに手を付けてみれば、どこがわからないのかが明確になり、質問することもできます。少しずつですが聞かなくてもできることが増えていきました。
※AM:アセットマネジメントの略称。投資家や不動産オーナーに代わって不動産の資産管理を行い、その価値を最大化する


1年目に担当していた元新道小学校の跡地活用プロジェクトは、小学校跡地にホテルを新築し、小学校と共存してきた歌舞練場を建て替えるとともに小学校の面影を一部継承した地域施設を新築するものです。地域で継承されてきた花街文化を維持しながら、地域に新たな賑わいをつくりだすという当社ならではのプロジェクトです。2025年の完成をめざしすでに工事に入っていますが、私の着任後に地元主導で元新道小学校解体前のお別れ会が催され、私もお手伝いをしました。その折りにいろいろお話をさせていただく中で、地域の方々の当社やNTTグループへの厚い信頼と大きな期待を肌で感じることができました。地域の歴史や人々の深い想いに寄り添いそれを受け継いでいくことの責任は重いと、改めて実感した機会でもあり身が引き締まる思いでした。
現在メインで担当している原宿クエストの建替え計画では、プロジェクトマネジメントチームの一員として、MDコンセプトを具体化しつつ、どのようなテナントを誘致するかリーシングチームとともに検討を続けています。またNTTグループならではのICTをどのような形で導入するか、その具体的な内容についても議論を進めています。どちらも新たに誕生する原宿クエストの性格を決める重要な要素であり、その決定過程に参画できていることは大きなやり甲斐につながっています。
原宿は集う人がそれぞれにメッセージを携え、夢や未来を語る世界有数のトレンド発信地です。その中心で、私自身も楽しいという気持ちを持ちながら原宿らしさのある街をつくっていきたい。あえて決まったブランドを持たず、エリアに本当に必要なもの、求められているものを考え、企画やリーシング、ICT施策の検討を進める当初の姿は、私が入社前に期待した通りです。その一員であることを誇りに、これからも学びを重ね成長していきたいと思っています。