NTT都市開発では、育児や介護などと仕事の両立を支援するため、さまざまな制度を設けています。
また、プライベートの時間を自己研鑽や能力開発に充ててもらうため、約140種類の資格を対象にした取得奨励制度も設けています。
元採用・育成担当として、子育てをしながら働く社員のロールモデルたらんと奮闘する鎌田さん。
仕事にキャリア形成に、そして人生を豊かにするために資格取得に励む田中さんの二人に、
これまでのチャレンジやその中で考えたことを話してもらいました。
2009年入社
建築都市デザイン学専攻
住宅事業本部 事業戦略部
商品企画担当 / 企画・戦略
担当
鎌田 理紗
二人の子供の母親として二度の産休・育休、そして復職を経験した鎌田さん。制度主管の総務部に所属していたときには見えなかった気づきも数多くあったという。



ママになる先輩や同僚をたくさん送り出してきた私ですが、いざ自分がその立場になってみると、会社を離れることへの不安はこんなに大きなものかと改めて感じました。「入社して6年目、自分は会社に対して必要な社員になれただろうか」「私に戻ってくる場所はあるのだろうか」という感情が湧いてくるんです。そして出産後の子育てはとても孤独。1日のうちで、外の大人としゃべったのは小児科の先生だけだったとか、スーパーのレジで「ありがとうございます」と一言いっただけだったとか、想像もできなかった社会との「断絶」ぶりです。だから「子ども産んでパワーアップして戻ってこいよ!」「自分の身体と赤ちゃんを第一にね!」と前向きに送り出してくれた同僚や上司のあたたかな言葉や、育休中の「あのプロジェクト、ここまで進んだよ」といった報告がとても嬉しかった。制度も大事だけれど、心の支えになる言葉と人がどんなに大切かと改めて思いました。その意味でも、同時期に育休を取っている社内の方々と世代を超えて子連れで会う機会が持てたことや、1年半ぶりの復職を前に「みんなについていけるか」とドキドキしている私に「復帰前に一度顔を出しにおいでよ」と上司が子連れランチを企画してくれたこともありがたかったですね。

復職後に心がけたのは情報共有です。上司には、残業できない日や抱えている業務内容やその進捗状況、さらに夫の繁忙期まで伝えています(笑)。また、夫には自分の仕事の忙しさや来週は何曜日が残業予定かを伝え、相手が夜いない日は定時に帰れるように業務を調整します。あとは、とにかく無理をしないこと。「絶対したいこと」は、「なるべくできたらいいな」くらいのスタンスで自分を許す(笑)。仕事も子育ても両方100%を望んだらつぶれてしまうと思うんです。子供にも「お母さんは働いていて楽しそうだな」と感じさせたい。とにかく、私が働き続けることで家族の負担が増し、その笑顔が減るような働き方はやめようと決めています。そして、無理せず、定時で終わらせてかつ評価されるようになりたいと思っています。私が無理してしまうと、これから子育てをしていこうとする社員に、あれくらい働かないとだめなのかと思われてしまいますからね。キャリアについても、今はこれがしたいあれがしたいというよりは、制約がある中でも愚直に誠実に目の前の仕事を進める中で力を蓄えていきたいと思っています。
子育てをしながら働いて思うことは、この会社は、働く時間が短くなっても、やりがいを感じられる仕事ができ、成果が出せるということです。他社では往々にして、子育てにウェイトを置いて働くなら、やりがいを感じられるような仕事は諦めざるを得ず、逆に、やりがいの大きな仕事を続けるためには、子育てを犠牲にせざるを得ない、という「事実上の二者択一」があるのではないでしょうか。しかし当社は、やりがいを感じて働きつつ、同時に時間の制約も受け止めて働かせてくれる。制度面だけでなく、そのような配慮や思いやりを含めた仕事環境があるのは、貴重でありがたいことなんだと当事者になってしみじみ感じています。

2017年入社
生物資源科学科専攻
NTT UD USA Inc.
田中 顕司
環境問題への関心から農学部に進んだ田中さん。公園の研究を重ねる中、デベロッパーに関心を持って入社。もともと好奇心旺盛で勉強好き。自分を豊かにする手段としても資格への挑戦を続ける。



私は新しい知識を取り込むことが好きです。学生時代に簿記2級の資格を取ったのも、半分は就職活動に有利かなという打算でしたが、後の半分は自分の知らない世界を知ることへの純粋な興味であり、喜びでした。内定後に、会社から受験を求められたこともあり、宅地建物取引士試験に合格、入社後は1年目にマンション管理士を、さらに内容が重なるところがあることから、間を開けずに管理業務主任者を受験し、合格しました。デベロッパーの業務領域をカバーしている再開発プランナーについても筆記試験は合格ずみで、今後、実務経験審査を受けて資格を取得する予定です。また、入社3年目の終わりにファイナンシャルプランナー(FP)2級を取りました。それから、これは資格ではありませんが、高校と大学でそれぞれ約1年間海外留学をしていたこともありTOEICについても毎年継続的に受験しています。

私が所属していたホテル・リゾート事業部(当時)での業務(当部だけではなく、開発系の部署であればどこでもそうだと思いますが)は、不動産の開発から管理、建築、法律や会計等、幅広い視野と知見が要求されることから、これらの資格の勉強を通じて得た知識は、日々の業務の中で実際に役立っていたと感じます。
資格取得を振り返って思うのは、そのための勉強が、該当分野の知識習得の早道だったということです。ただやみくもに勉強するだけでは継続が難しいし、知識も定着しません。『資格を取る』という具体的な目標があることによって、モチベーションが上がり、勉強する内容や道筋もはっきりします。社会人になり、学生時代と比べると自由な時間が大幅に減りました。さらに、ライフイベントが続くような年齢になったことで、自分自身のために使うことができる時間はこれからさらに減少するでしょう。これからも、業務上さまざまな知識が求められると思いますが、関連する資格の取得をめざすことで効率よく知識を得ていくことができるのではないかと思います。
また、業務上の知識の獲得という目的から離れても、資格取得の勉強は有意義だと思っています。例えば私が取得したファイナンシャル・プランナー(FP)もそうですが、直接業務には関係しません。しかし、不動産以外の専門分野の知識を得ることによって、より多角的な目で自事業を捉えることができるようになり、さらに一個の社会人としてのスキルを高めることにもつながりました。
現在は、いつ、どの業界が淘汰されても不思議はないというほどの大きな変化の中にあり、ジョブ型雇用の波も押し寄せています。ただ漫然と働いているだけでは、将来、会社の事業環境が大きく変わるような場合、生き延びることができません。自分にとって業務外のことについても勉強を続けて資格を取ることは、いつ、どんなときにも必要な人材であり続けるためのツールでもあると思っています。
当社の奨励資格一覧には、約140もの項目が掲げられています。不動産や建築、造園など、当社の事業に関わるあらゆる分野の資格が網羅されているだけではありません。税理士や米国公認会計士、さらには弁護士まで対象とされ、とても手厚いものになっています。すでに得意分野がある人にとっても、これから得意分野をつくっていきたいという人にとっても、モチベーション向上に大いに役立つと思います。私も、会社のために、そして私自身の成長のために、これからも活用していくつもりです。
